平成13年6月16日

特定非営利活動法人 六甲山と市民のネットワーク 設立趣旨書

1.趣旨

 六甲山系は国立公園として、神戸という大都会に隣接しながらも、素晴らしい自然環境を保持してきました。これだけ素晴らしい山と緑の自然が身近にある大都市は他に例を見ません。
 ところが、神戸市民にとって身近かすぎるが故に気付かないうちに、震災の影響も含め、この六甲山系がどんどん荒廃しつつあります。
  また、企業の福祉政策の見直しや余暇の過ごし方の多様化などの影響をうけて、企業の保養所や個人山荘の閉鎖が相次いでおり、六甲山系の荒廃に拍車をかけるかたちとなっています。
 さらには、多くの人たちが単に「夜景が綺麗な場所」という認識しか持っておらず、車で登って夜景を見てすぐに立ち去る、そんなパターンが定着しつつあります。

 しかしながら、私たちのこれからのライフスタイルの中で、この六甲山系の自然が果たす役割は非常に大きいものがあると考えられます。
  山の上で緑と自然に囲まれながらノンビリ過ごす静かな時間・・・
  子ども達と森の中を散策しながら自然に接する家族の語らいの時間・・・
  素晴らしい夜景の見える場所で「六甲山昔話」に聞き入る不思議な時間・・・
  身近でありながら都会の喧噪から隔離された場所で夜を徹して語る熱い時間・・・  

 このような豊かな時間を実現することができる身近なフィールドとしての六甲山系を守ること、その素晴らしい自然をどう私たちの生活に組み込んでいくかを提言していくこと、そういった目的を掲げて私たちは活動していきたいと考えています。

 具体的な活動として

  • 六甲山系に関する情報の収集と発信、ならびにネットワークの構築
  • 六甲山系に関する調査研究、啓発、広報活動
  • 六甲山系の自然、施設を活用した生涯学習の実現
  • 六甲山系の施設を利用できる会員組織の運営
  • 六甲山系の保養施設などの活性化に関する提言、コンサルティング活動

といったものを取り上げていく予定です。

 このような活動は、多数の山麓に住む市民がその受益者となる公益的な活動であり、また幅広く市民が集まり知恵を出し合うことで始めて可能となるものです。さらに活動の継続性や責任を持てる体制作りという面で、特定非営利活動法人というかたちで進めていくのがもっとも適切だと考え、私たちは特定非営利活動法人六甲山と市民のネットワークを設立することになりました。  

2.申請に至るまでの経過

  1. 21世紀学会共同研究「よみがえれ六甲山」:1997年7月〜1999年6月  
    21世紀ひょうご創造協会内の21世紀学会の共同研究メンバー15名が3年間にわたって、六甲山の魅力を再発見し過疎化する状況を打開するための活性化策を探った。
    中でも、六甲山上の保養施設の実態調査は注目を集めた。

  2. プチ・シンポジウム1「六甲山を語ろう'99」:1999年6月からの活動  
    6月下旬に六甲山上で「六甲山の現状と今後を考える」シンポジウムを開催した。報告書を作成してマスコミにも報道されるなど、六甲山についての自然、観光、保養所等への関心を広く喚起した。
    行政や事業団体で六甲山の問題を検討するきっかけを与えた。  
    2000年4月からは、神戸市産業振興局観光交流課より「六甲山上の施設活用の意向調査」を受託することになった。

  3. プチ・シンポジウム2「六甲山を語ろう2000」:2000年6月からの活動  
    6月中旬に第2回のプチ・シンポジウムを開催して、市民が主体的に関われるテーマを検討した。
    六甲山に関する情報センターをつくる、子供の自然学習フィールドにする、保養所の有効利用を図るなど継続的な取り組みを行なうことを目指した。  
    同時に、神戸市の委託調査を進めた結果、六甲山上では放置山荘が増えて一層荒廃することを懸念し、「脱保養所時代を拓く」必要などを提言した。
    神戸市の「保養所コンソーシアム構想」や、保養所の用途規制緩和など行政の施策に反映され、市民団体の活動が社会的にも貢献することになった。

  4. 2001年度の活動  
    2001年3月には、六甲摩耶復興祭イベント"遊々サミット"を神戸市、(財)阪神・淡路産業復興機構等と共同開催した。六甲山上の平坦部を探遊するルートの紹介に着手した。
    また、市民団体としてホームページを開設して六甲山の紹介を行なうと共に、関係諸団体との連携を進めている。六甲山を巡る様々な活動を結びつける役割を果たすことが次第に具現化している。  

 現在、市民活動が一過性のイベント実施にとどめないで、継続的に六甲山の理解を促進したり、市民の関わりをサポートできる法人格の組織にすることが必要であると判断するにいたった。

 また、「六甲山と市民のネットワーク」を設立するに際して、第3回プチ・シンポジウムを開催し、「21世紀、これからの六甲山」をテーマに、広域的かつ長期的な地域ビジョンづくりを目指している。  

2001年6月16日 特定非営利活動法人 六甲山と市民のネットワ−ク

 

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